演奏家からの便り 1

最終更新: 3月12日

今日から「演奏家からの便り」というシリーズを不定期ですが始めたいと思います。

今日は1ですがそれが10になり30になりと続けられたら嬉しいです。


1番目の登場は2019年秋にも演奏下さった角野怜子さん

今回はベルリンからのお便りをいただきました。


「静岡県掛川市の茶の蔵かねもホール、そこに一歩足を踏み入れると日常の雑音がすべて消え去って行く。ゴールドを基調とした素晴らしい豊かな響きのホールには、二台のベーゼンドルファーが置かれ、一台は、かの有名なピアニスト、バックハウスが愛用した名器だと言う。

この素晴らしいホールで、<若いアーティストを育てる実行委員会>の皆様が、定期的に演奏会を開催されていらしたが、今は、<Music&Art>と名を改められ、新しい歩みを踏み出そうとしてらっしゃる。

2017年4月15日、娘まりながニュールンベルグ音楽大学でバイオリンの修士課程を卒業し、<母と娘のデュオコンサート>と言うタイトルの演奏会で、文字通り母娘で弾かせて頂いた。その時、素晴らしく調整されたベーゼンドルファーを、美しく響かせたホールの自然な豊かな残響に、心から感動した事を思い出す。

ベーゼンドルファーと言うピアノは、音響豊かな空間で演奏されてこそ、演奏者も聴衆も、共に楽器の素晴らしさを十分に堪能出来る、と言う事実を、まさに噛み締めた演奏会だった。

又、2019年11月30日には、元ウイーン交響楽団トップチェリストでいらした吉井健太郎さんとご一緒に、もう一度演奏させて頂いた。吉井さんの素晴らしいチェロは、ホールの美しく豊かな残響の中で、のびやかに歌い、又、その時弾かせて頂いたバックハウス愛用のピアノは、昔ウイーンで学んだベーゼンドルファーの奏法を、忌憚なく生かせた、久々の至福のひと時であった。


2020年、年明けて世界を襲ったコロナ禍は、今も尚音楽家の活動を著しく妨げている。ドイツでは学校もすべて閉鎖された日が続き、ピアノのレッスンもオンライン化されて、私も、一日も早くコロナが終息する日が来ることを願いながら、パソコンに向かって喋る日を重ねている。 <Music&Art>の皆様は、かねもホールでの演奏をユーチューブで発信なさる試みを始めていらっしゃる様で、素晴らしい事だと思う。今の世に、タイトルも新たにホームページをお持ちになられ、又、様々な試みを重ねられる<Music&Art>に、心からの拍手をお送りすると共に、さらなるご発展をお祈りしたい。


今後のコロナ終息を待って、私は、ミラノ在住のメゾソプラノ&アルト歌手、中山アルマさんとの演奏会を考えている。中山さんは、イタリア国立ミラノ・ジュゼッペ・ベルディ音楽院声楽家を卒業されて、現在イタリア各地でご活躍。数少ない真のアルト性の声質を持ったコントラルト歌手。日本では日本歌曲を歌って下さる。

音楽の原点は、矢張り歌! 日本歌曲は、日本で言葉にとらわれずに楽しめる歌曲のジャンルの一つではないかと思う。

2021年2月28日     ベルリンにて 角野怜子」








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